はっぱ
はっぱで思い出したけど、谷川俊太郎の詩に「かっぱ」というのがある。
かっぱかっぱらったかっぱらっぱかっぱらったとってちってた
ってやつだ。
小学生の時テストでこの詩の区切れる箇所に/を入れなさいという問題が出た。
正解は「かっぱ/かっぱらった/かっぱ/らっぱ/かっぱらった/とってちってた」だが、
「トテチテタ」がラッパの音階を表している*1と知らなかった僕は悩みに悩んだ。
・「かっぱらった」が「掻っ払った」である以上、「とって」は「盗って」と推測される。
・では「ちってた」とは?散…ってた?・・・「散ってた」=「死んでた」!!!
その瞬間僕の脳裏に、調子こいてラッパ吹きながら逃走してたカッパの皿に、
楽器屋の投げた豪速カラーボールが突き刺さり、
青い血*2を吹き上げながら崩れ落ちるカッパのシルエットが浮かんだ。
…テンポ良いリズムでなんて恐ろしい情景を描写した詩なんだろう。
僕は震え上がりながらも、こんな問いを解けたのはクラス僕だけなんじゃないか?と悦に入りながら回答した。
結果、この問題を間違えたのは僕だけだった。
その日以降、河童と谷川俊太郎の詩には畏れとも憐れみともつかない奇妙な感情が付きまとうようになり今に至っている。