空気感とは何か

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たまーにこんな写真が撮れる。
ただボカしただけじゃない、ボケの中から被写体が立ち上がってくるような写真。
google map で地形レイヤーにチェックを入れた瞬間のちょっとした驚きのような*1
これが「空気感」なる言葉だと勝手に思っているのだけど、これを出すのは今のトコ神頼み。


考えると写真って不思議なもので三次元を二次元に落とし込む訳だから、奥行きの情報を削ぎ落とさなきゃいけない。
かと言って絵画のように失った情報を他の要素*2で補ってあげることも難しい。
じゃあどうやって失った情報を補うかというと「ボケ」になるんだろう。


僕の中での写真の作られ方って、被写体の前後を0.1mm毎に平面で切ってスキャンした何千枚もの断面フィルムを
カメラ内の小人が1枚1枚ローラーで糊づけしてるイメージ。
そうやって断面を圧縮することでシャドウボックスのように三次元を二次元に落とし込んでる感じ。
そのフィルム毎の微妙な変化の積み重ねが「ボケ」になっているんだと思う。

で、小人が「ここは断面10枚飛ばして一気に変化したように見せる。」とか「断面増やしてでもゆっくりと変化していく様を見せる。」
とか気を利かせてくれた時に空気感というか躍動感が生まれてくるんじゃないかと思う。


…そう考えると一枚の写真が何千コマもあるアニメーションに思えてきて、気が遠くなる。

*1:渋谷ってホントに谷なんだ!みたいな

*2:ありえないパースとか、良い意味での嘘